停電長期化 物資に列 なお40万軒、千葉県民疲弊 東電「全面復旧あす以降」 【台風15号】

食料品などを求めて移動販売に訪れた市民ら=11日午前11時55分ごろ、千葉市中央区
食料品などを求めて移動販売に訪れた市民ら=11日午前11時55分ごろ、千葉市中央区
停電が続く木更津市で、ガソリンスタンドに列を作る車=11日午前
停電が続く木更津市で、ガソリンスタンドに列を作る車=11日午前

 台風15号による千葉県内大規模停電の復旧は11日、大幅に遅れ、午後7時現在で約40万軒の停電(45市区町村)が残った。東京電力は「全面復旧は13日以降」と説明した。停電に伴う断水は11日夕に約2万戸(11市町)に減ったが、停電と重なったままの地域もあり、24市町の避難所に計910人が身を寄せ、住民の疲弊は長期化。生活物資などの救援の輪は民間にも広がった。森田健作知事は11日夕の取材に「電力がなければ県民生活はどうにもならない。東電には不眠不休でやってほしい」と強調した。

 東電は当初、停電を11日朝までに約12万軒に減らし、同日中の全面復旧を目指すとしていたが、遠く及ばず。ライフライン寸断は、きょう12日で4日目。11日に記者会見した東電は、10日夜の雷雨で作業が中断したことも原因と釈明した。

 県によると、停電に伴う断水は10日夕から約6万戸減ったが、南房総市では自家発電機の故障で新たに断水。県は、応急給水の場所や時刻を各自治体に確かめるよう呼び掛けている。

 病院は11日午後5時時点で停電28カ所。断水も14カ所で、自衛隊の水タンク車などが支援に回っている。

 県は11日夕、災害対策本部会議を開催。森田知事は菅義偉官房長官らと連絡を取り合い、電力の早期復旧を働きかけていると報告。東電からエネルギー庁を通じ「千葉(市周辺)エリアは12日復旧へ努力するが、成田市や木更津市は損傷が激しく、12日は困難」と回答があったという。東電に正確な情報提供も求めた。

 県は、甚大な農林水産被害への支援も国に求める。酪農では電源がないため牛乳の廃棄も多いという。

 千葉市は11日朝、閉鎖していた災害対策本部を停電長期化を受けて再設置。熊谷俊人市長は「今までにない形の災害」として情報の収集と共有に努める考え。

 10日には停電中の市原市岩崎の住宅で男性(65)が熱中症の疑いで死亡した。

◆ガソリン求め長蛇 水や食料の移動販売も

 長引く停電が県民生活をむしばんでいる。ガソリンスタンドは営業できる店舗が少ない上に、暑さをしのぐためエアコンを効かせた車中で過ごす人が急増、燃料不足に拍車をかけている。

 数少ない営業店の前にはガソリンを買い求める車で早朝から1キロを超える長蛇の列もできた。ガス欠が迫り、窓を開けたまま1時間以上並んで給油できた人は「早く復旧して」とうんざり。

 一方、食料などが手に入らない人のために千葉市は民間企業と共同で移動販売を行った。孤立した地域を回ると、飲料水や弁当、冷却用品、懐中電灯などを求める市民が集まった。

◆首相「復旧に全力」

 安倍首相は記者会見で、台風15号による千葉県を中心とした大規模停電について「復旧に全力を挙げる。自治体と緊密に連携しながら、住民へのきめ細かな支援を行う」と述べた。


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