とにかく水、電気を 募る不安、いら立ち 市原市民復旧見通せず 【台風15号】

停電の影響で自宅の水が出なくなり生活用水をくみに来た市民=11日午後1時25分ごろ、市原市辰巳台西の辰巳公民館
停電の影響で自宅の水が出なくなり生活用水をくみに来た市民=11日午後1時25分ごろ、市原市辰巳台西の辰巳公民館

 台風15号の影響で県内最大の停電が続く市原市では、11日も市役所や公民館に水、携帯電話の充電を求める市民が集まった。断水となっている地区もあり、市民には疲労と不安が広がっている。全面復旧への見通しが立たず、東京電力の対応に「停電3日間は厳しい」といら立ちを隠さない市民もいた。

 ポンプを使い井戸水をくみ上げている市内の辰巳台、山木地区などの住宅では、停電でポンプが使えず「断水状態」となっている。

 辰巳台東にある病院で働く看護師によると、病院は自家発電で通常体制だったが、看護師の寮が停電と断水になったという。20代の女性看護師は「シャワーは病院で借りた。医療従事者として良くないが、トイレも流せないので水を控えていた」と顔をしかめた。

 山木地区の30代夫婦は、辰巳台公民館で非常用の井戸から生活用水を調達した。妻(36)は「暑さが続くので水浴びしたり、トイレに使ったりしたい」と笑顔をみせたが、飲料用ではなく「SNSで水が売っている店を探して飲み水を買っている」と打ち明けた。

 荻作地区の男性(45)も自宅の井戸が使えず、コインランドリーを利用。「台風がきてから風呂に入れず、ボディーシートでごまかしていた。住んでいる地域は昼過ぎに電気が復旧したが、たまった洗濯物は家ではとても洗いきれない」と苦笑いした。

 牛久地区のスーパー「T☆MART」(高橋洋社長)は11日も営業。停電で暗い店内を、懐中電灯などの明かりを手に従業員が案内し、買い物客が食料品などを購入していた。11日午後に来店した女性(65)は自宅が停電しており「缶詰は冷蔵庫に入れないで済む。日持ちしそうなものを購入した」と話した。

 11日中の全面復旧を目指すとしていた東電の説明に、山木地区の男性(37)は「(おおむね復旧の)アナウンスを聞いてとても期待しただけに、まだ続いているとなると精神的にきつい」と嘆いた。別の40代男性も「だめだと分かったなら早く周知してほしかった。市も正確な情報を把握してから広報してほしい」と注文した。

 一方、自営業の40代女性は「雷の影響や被害が大規模で作業員も混乱しているのでは」と理解を示す。市内の公民館の職員は「泊まり込んで交代勤務しており全員に疲れが見えてきている」と話し、「停電復旧に関する住民からの問い合わせが多いが、答えられることがほとんどなく苦しい状況」と表情を曇らせた。


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