過積載疑い捜査続く 現場周辺道路で通行規制 トレーラー横転3人死亡【回顧2018取材メモから】(3)

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県道交差点で横転し、軽乗用車の3人を押しつぶした大型トレーラー=9月8日、千葉市若葉区中野町(画像を一部加工しています)
県道交差点で横転し、軽乗用車の3人を押しつぶした大型トレーラー=9月8日、千葉市若葉区中野町(画像を一部加工しています)

 9月8日、千葉市若葉区中野町の県道交差点で信号待ちしていた軽乗用車の家族3人が、左折しようとして横転した大型トレーラーに巻き込まれ亡くなった。県警はトレーラーを運転していた八千代市の男性(26)を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕し、同致死容疑に切り替えて送検。処分保留で釈放したが、過積載の疑いも含め捜査を進めている。

 亡くなったのは不動産会社役員、吉田亮さん=当時(43)、大網白里市季美の森南4=と妻の葵さん(37)、父親の隆さん(70)=千葉市緑区土気町。積み荷の鉄くずなどに押しつぶされた。重機で軽乗用車を引っ張り出し6時間後に救出されたが、現場で死亡した。3人を知る人々は深い悲しみに包まれ、事故現場脇の歩道には今も冥福を祈る花が手向けられている。

 トレーラー運転手の男性は、「37トン分を積んだ」「積み過ぎたかもしれない」と供述していた。捜査関係者によると、10トン近い過積載の状態で走行していた疑いもある。また、許可を得ずに運搬業務を請け負っていた可能性もあるという。

 県トラック協会は、過積載の問題解消は簡単ではないと指摘する。トラックドライバーすべてに法律の周知や運転手の適性診断を行うことが難しいからだ。「一部の悪質な運転手による事故のたびに、運送業のイメージが悪くなる。ほとんどはルールを守っているのに」と嘆く。

 過度なコストカットにつながる契約方式も過積載の一因という。あるコンテナトレーラーの運転手によると、過積載する事業者は運んだ量に対して報酬を受ける契約を結ぶことが多い。運搬先へ行き来する回数を減らして、燃料費や人件費を節約しようと一度に大量に積載する。「違反する運転手の取り締まりを強化するとともに、報酬のルールを整備しないと過積載はなくならない」と問題提起した。

 再び事故を起こさないため、県警は今月上旬からトレーラーが走行してきた国道126号と現場交差点を結ぶ道路で大型貨物車などの通行規制を開始した。現場交差点では、荷物を積んだ貨物車などが左折するとバランスを崩す危険性が確認されたからだ。

 「ルールはきちんと守られるのか」。地元住民らは交通規制を歓迎しながらも、消えない不安を口にする。
 毎年多くの命が交通事故で奪われる。県内で今月20日現在、179人が死亡。前年同期を32人も上回っている。悲惨な事故を振り返りながら、犠牲者を減らす取り組みを支持したい。

(社会部・渡邊翔太)