放鳥コウノトリ死ぬ 雄「りく」愛知で発見 野田市

放鳥前、飼育舎で撮影されたりく(野田市提供)
放鳥前、飼育舎で撮影されたりく(野田市提供)

 国の特別天然記念物であるコウノトリの野生復帰に取り組む野田市は7日、2018年に市が放鳥したりく(雄、3歳)が死んだと発表した。解剖でくちばしの一部の欠損と体重の減少が確認され、えさがとれなくなり衰弱したとみられる。

 市によると、りくは位置情報を把握できる衛星利用測位システム(GPS)の発信器を装着せず、どこに飛来しているかは目撃情報が頼りだった。

 3月27日、愛知県在住者から同県大府市で「くちばしが折れているコウノトリを見た」と連絡があった。野田市は提供を受けた足輪の写真でりくと確認。下のくちばしの先端がくの字に折れ曲がっていた。

 報告は4月5日、兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)から受けた。同公園には愛知県自然環境課が連絡。同県南知多町で3日、衰弱したコウノトリの個体を見つけ、野鳥保護施設の同県弥富野鳥園(同県弥富市)に搬送したが、到着後に死んだことを確認したという。豊橋総合動植物公園(同県豊橋市)で病理解剖を行った。

 野田市みどりと水のまちづくり課は突然の知らせを悲しんでいる。りくは佐賀県伊万里市にここ1年ほど滞在。今年2月4日には同市から元気に過ごす様子の写真が送られていた。

 鈴木有市長は「たいへん残念な思い。今後も生物多様性や自然再生のシンボルとして放鳥を続けるが、今回のような事故に遭わないよう祈るばかり」とコメントした。

 野田市はこれまでに12羽を放鳥。りくの死で活動している個体は8羽になった。


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