コウノトリ巣作り支援を 野外繁殖実現へ寄付募る 野田市

冬水田んぼに飛来したヤマト(10月29日撮影、野田市提供)
冬水田んぼに飛来したヤマト(10月29日撮影、野田市提供)

 国の特別天然記念物、コウノトリの野生復帰に取り組む野田市は、市内での野外繁殖を成功させようと、巣作りに必要な高さ12メートルの人工巣塔2基の設置を計画している。期待をかけるのは2017年に市が放鳥し市内に滞在している3歳の雄のヤマト。設置費は「ヤマトの恋人探し」と題し220万円を目標に寄付を募る。市の取り組みのPRにも役立てたい考えだ。

 市は15年から6年間で12羽を放鳥。現在9羽が関東地方中心に活動している。ヤマトは今年2月から市内江川地区に長期滞在中。

 ヤマトは昨年8月、徳島県鳴門市生まれの雌の歌を連れ帰省したがペアにならなかった。その歌は今年3月、野田市が16年に放鳥した雄のひかると渡良瀬遊水地でつがいになり、同所の人工巣塔で産卵。6月に2羽のひなが確認され、東日本初の野外繁殖となった。

 ヤマトは歌にふられた形になったが、野田市はヤマトが市内に定着する可能性があるとみて「伴侶探し」を応援することにした。

 人工巣塔は高所に営巣するコウノトリのため、頂上に直径1・6メートルの器を設けた鉄柱。渡良瀬遊水地には5基ある。江川地区には既に1基あるが器が浅く、新たな人工巣塔は器を深めにする。

 市内の木間ケ瀬地区では、ひかると歌の子どもで渡良瀬遊水地から巣立った雄のわたるをはじめ4羽が飛来・滞在しており、同地区にも設置する方針だ。

 江川地区は、生き物が住みやすいよう冬季でも田に水を張る「冬水田んぼ」の取り組みがあり、木間ケ瀬地区はドジョウやカエルなどがすむ水路がある。鈴木有市長は「コウノトリの飛来、滞在は(市内の自然が豊かで)えさとなる生物がいる証になった」と喜ぶ。

 ただ、心配されるのは関東地方で活動する9羽の個体のうち雌は2~3羽と少ないこと。市はヤマトの奮闘を温かく見守ることにしている。

 寄付は、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」で使い道を示して資金を募るクラウドファンディング(CF)を利用し募る。金額は2千円から。10万円以上の寄付者は塔に名入れできる。受付期間は27日~来年2月25日の予定。


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