深まる謎…空想へ導く チーバくんの「増殖」(佐倉市)【千葉まちなかアート】

3体に“増殖”したチーバくんのオブジェ
3体に“増殖”したチーバくんのオブジェ
横から眺めると、「三つの千葉県」が並んでいるように見えてシュール度が増す
横から眺めると、「三つの千葉県」が並んでいるように見えてシュール度が増す

 佐倉市の京成線志津駅南口にある千葉県マスコット「チーバくん」のオブジェ。以前この連載で2体並んだ様子を「アートな光景」として紹介した。それが近頃、3体に増えていた。「増殖するチーバくん」はますます謎めいた印象を強め、我々を空想の世界へと導いている。

 地元商店会が市の補助金などを活用し、街の活性化を目指して2019年から順次設置。昨年末に設置した3体目は、中央に配され、高さは1・2メートルと左右の2体(1・5メートルと1・4メートル)に比べてやや小ぶり。それぞれ拳を突き上げ、活力みなぎる様子だ。

 それにしても、さまざまな「なぜ?」が頭の中を渦巻く。2体のときには、ミッキーマウスと同じくチーバくんも「世界に1人」という設定ではないのか、といったキャラクターの「唯一性」を巡る思考へと促された。そんな我々を惑わせるかのように、颯爽(さっそう)と登場したもう1体。なぜ増えたのだろうか。これはチーバくんからの、ある種の「挑戦状」ではないか-。

 そして、「一体どこまで増殖するのだろう?」という新たな疑問が芽生える。というかむしろ、「増殖してほしい」という期待感にも似た感情と言っていい。5体、10体、20体…と増殖するさまを想像すると、なぜかワクワクが止まらなくなる。

 ただ、市などによれば、残念ながら設置は3体で完了。ちなみに、3体は「親子三代」を表しているとのこと。なるほど、親子か、と素直に納得していいものかどうか悩ましくはある。いずれにせよ、志津にお目見えした不思議かつ愛らしい新名物は、訪れた人たちの印象に強く残るに違いない。

(平口亜土)


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