「唯一性とは―」数々の問い 2体のチーバくん(佐倉市) 【千葉まちなかアート】

志津駅南口に並ぶ2体のチーバくん像。高さは左が1・5メートル、右が1・4メートル。コロナ禍の下、激励のタスキを掛けて拳を突き上げる姿が何とも頼もしい
志津駅南口に並ぶ2体のチーバくん像。高さは左が1・5メートル、右が1・4メートル。コロナ禍の下、激励のタスキを掛けて拳を突き上げる姿が何とも頼もしい
像があるのは柵で囲まれた小さな公園状の場所。ベンチで休むこともできる
像があるのは柵で囲まれた小さな公園状の場所。ベンチで休むこともできる

 今回、アートと捉えて良いものか悩んだ、あるオブジェを取り上げる。県民におなじみの県マスコット「チーバくん」。その像が2体、京成線志津駅(佐倉市)の南口に並び立つ。単なる「ゆるキャラ」とはいえ、我々の想像力を刺激するという点において、「アートな光景」と言ってもいいのではなかろうか。

 まず、「なぜここに?」という疑問が湧く。志津駅は東葉高速線も交わる勝田台駅と、ニュータウンを擁するユーカリが丘駅の間の、どちらかというと“地味”な駅。また、佐倉には今年3月まで長く市の公式マスコットを務めた「カムロちゃん」がいる。なぜチーバくんなのか-。

 さらに不思議なのは、同じマスコットが2体並ぶ光景。ミッキーマウスと同じく、チーバくんも「世界に1人」という設定のはず。像だから許容されるのか。それにしても、2体であることを殊更強調するかのような配置…。唯一性とは何か。無二と信じていたものにも実は代替可能なコピーが存在しうる、という現実世界への警句か-。数々の問いへと我々を誘ってやまない。

 実はこの像、地元商店会が昨年3月から今年3月にかけ設置したもの。近隣に商業施設が進出し、薄れつつあるにぎわいを取り戻そうと「子どもに人気」のチーバくんを採用したという。3体目の設置計画もあるというが、一体どんな世界に我々を導いてくれるのだろう。

(平口亜土)


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