2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

加曽利貝塚に名産を ドングリ焼き菓子開発 障害者製造、千葉市内で販売

ドングリの粉を使ったクッキーを作る「おおぞら園」の利用者ら=千葉市稲毛区
ドングリの粉を使ったクッキーを作る「おおぞら園」の利用者ら=千葉市稲毛区
ドングリを集める「ITSUMO」の利用者ら(ITSUMO提供)
ドングリを集める「ITSUMO」の利用者ら(ITSUMO提供)
ドングリのクッキー(左)とボーロ。ボーロは加曽利貝塚で大量に出土した巻き貝「イボキサゴ」をイメージしている
ドングリのクッキー(左)とボーロ。ボーロは加曽利貝塚で大量に出土した巻き貝「イボキサゴ」をイメージしている

 知的障害者がやりがいを感じられる仕事を。千葉市が誇る加曽利貝塚の名産を作りたい-。そんな二つの思いが結実したクッキーとボーロが誕生し、同市内で販売が始まった。原料に使ったのは縄文人の主食とされるドングリ。通所型の市内福祉施設11カ所が連携し、ドングリ拾いや製造を担当した。

 国史跡の加曽利貝塚(若葉区)。「名産がない」と考えていた田嶋夕紀さん(51)=稲毛区=が土器作り体験をする中で「一枚一枚丁寧に作っているのはクッキーと同じ。貝塚にちなみドングリのクッキーを」とひらめいた。

 昨年春に知人らと「加曽利貝塚ともに生きるプロジェクト」を設立。「ドングリ拾いや殻割りなど、いろいろな工程がある。障害が重くても、どこかのプロセスに関われるのではないか」。交流があった福祉関係者に声を掛け、昨年秋、同貝塚公園など市内公園で障害者らがドングリを集めた。

 クッキーの製造を担当したのが福祉作業所「おおぞら園」(稲毛区)。利用者たちはもともと作業の一環で焼き菓子を作ってきており、腕前は折り紙付き。殻を割ったり、実を砕いた粉が入った生地をドングリの形に型抜きしたりして、素朴な味わいの香ばしい逸品に仕上げた。

 同作業所管理者の小柴友幸さん(46)は「新型コロナ禍でイベントの中止と縮小が相次ぎ、今年は商品を作っても売る機会に恵まれなかった。ドングリクッキーは利用者のやる気につながっている。利用者が作る菓子の品質の高さのPRにもなれば」と願った。

 重度障害者向けの生活介護事業所「ITSUMO」(若葉区)は今年からプロジェクトに参加。同事業所は障害者に働く喜びを得てもらおうと、さまざまな仕事に挑戦している。介護福祉士の住谷翔太さん(34)は「自分の仕事がどんな形になったのか、その場で伝えることが重要。クッキーや加曽利貝塚に関わることで達成感も得られる」と説明する。

 クッキー(税込み400円)とボーロ(同)は今月から中央区のカフェ「豆NAKANO」など市内7店舗や市美術館のショップで販売。25日には商業施設「フレスポ稲毛」(稲毛区)内で開かれるマルシェに出店する。

 田嶋さんは「ドングリが社会と障害者をつないで、障害者の仕事への関心が高まってほしい」と期待。クッキーとボーロは手作りのため製造量に限界があることから、多く集まったドングリの実を砕いた粉を一般のパン屋などに卸す構想も練る。「自分の仕事が人気商品に貢献していることになれば、障害者に誇りを持ってもらえる」と張り切っている。

 問い合わせはメールinfo@kasorikaizuka.com


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