卵香るバウムクーヘン 家族一丸、おいしさ発信 Egg's Baum (旭市) 【ちばの元気企業】

焼きたての香りがほんのり漂う店舗で、自慢の卵を使ったバウムクーヘンを手にする伊藤さん(左)と店長の前田さん=旭市鎌数
焼きたての香りがほんのり漂う店舗で、自慢の卵を使ったバウムクーヘンを手にする伊藤さん(左)と店長の前田さん=旭市鎌数
オーブンで真剣な表情でバウムクーヘンを焼く店長の前田さん
オーブンで真剣な表情でバウムクーヘンを焼く店長の前田さん

 昨年2月にオープンした店舗で、店長の前田恵理さん(27)、伊藤直美さん(32)の姉妹が店内のオーブンで焼き上げて販売するのは、卵の風味が香るバウムクーヘン。看板商品はソフトタイプの「MEGUMI(めぐみ)」と、外側のサクサク感が楽しめるハードタイプの「KAGAYAKI(かがやき)」。子どもからお年寄りまで親しんでもらえるよう、卵のおいしさを際立たせるシンプルな味わいに仕上げた。

 開店のきっかけは「卵のおいしさ、すごさをたくさんの人に知ってほしい」という姉妹と、姉妹の父、衣鳩享市さん(64)ら家族の熱い思い。

 材料の肝となる卵は、衣鳩さんが代表を務める「マルゲン」(旭市)運営の養鶏場で生産する。

 経営規模は、養鶏場としては小さいという6万羽。鶏はひなから育て、飼料米を与えるなど餌にもこだわり「くせはなくてコクがあり、自然な甘み」(伊藤さん)という卵を生み出しているが、“安値安定”が当然視される卵で利益を上げるには工夫が必要だった。

 小売にも力を入れていた衣鳩さんが、生産・加工・販売まで農業の多角経営を目指す「6次産業化」への挑戦を決意。卵の可能性を広げる商品として、バウムクーヘンを選んだ。

 店舗を任された伊藤さん、前田さん姉妹は「他にないものを出したい」と知人や職場など広い世代への試食でレシピ作りにもこだわった。製菓機器メーカーの研修などにも赴いて焼き方を学び、練習を重ねて習得。生地の崩れやすさに注意を払いながら、ふわふわ濃厚な年輪の層を出している。

 看板商品の他に、空洞にチーズケーキ生地や自家製カスタードを入れた商品も。5月からは「抹茶のバウム」もラインナップ。隣には、自慢の卵もしっかりと並べて売り込む。

 家族の熱意が込められたバウムクーヘンに、ファンがつくようになった。リピーターが訪れたり、学生らがふらりと立ち寄って購入したり。「内祝いの品に」との発注を受けるなど浸透しており、衣鳩さんは「予想を上回る売り上げ」と笑顔を見せる。

 姉妹にとって、幼少期から当たり前のようにあった卵。自慢の卵の魅力を伝えるバウムクーヘンを手に、姉妹は「お菓子を入り口にして、多くの人に卵好きになってほしい」と目を輝かせた。


  • LINEで送る