時短「午後8時」に逆戻り コロナに翻弄、飲食店落胆 まん延防止開始

開店時間を前に店先を入念に消毒して準備する焼き鳥店=20日、船橋市内
開店時間を前に店先を入念に消毒して準備する焼き鳥店=20日、船橋市内

 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が県内5市(市川、船橋、松戸、柏、浦安市)で始まった20日、対象地域の飲食店からは、時短要請の再三の変更に戸惑いや混乱の声が上がった。時短要請は、緊急事態宣言解除で3月22日から午後9時に緩和されたが、対象5市は約1カ月で午後8時に逆戻り。経営者は「客足が戻っていたのに」とコロナに翻弄(ほんろう)される現状に落胆した。時短の効果を疑問視する意見も聞かれた。

 重点措置が適用された船橋市。JR船橋駅に近い日本料理店「伸幸」の石毛利幸オーナー(70)は「時短要請が午後9時に緩和されて間もないのに、また午後8時に戻る。お客さんも戸惑っており、店としてもやりにくい」と複雑な思いを明かす。営業時間変更を周知する店のホームページや張り紙を再び直す作業に追われた。時短に伴い、予約キャンセルが出ているという。

 同市内の繁華街で今週末に新装開店を予定している食堂の40代男性店長は「直前での営業時間変更だが仕方ない」とした上で、「飲食店の時短要請だけで効果が出るのか。午後8時以降に路上飲みが増える心配もある」と懸念。感染者数が下げ止まっている現状に、行政によるさらなる対策の必要性を指摘した。

 近くの焼き鳥居酒屋の男性経営者(63)は「徐々に客は戻っていたが、営業時間がまた短くなると売り上げが減る。協力金はすぐには入らず、運転資金を用意しなければならない。先が見えない」と苦しい胸のうちを吐露した。

 同じく重点措置の対象地域になった市川市の飲食店「和多屋」の店主、塩田和多留さん(49)は「少しずつ客足が戻ってきたところだったのに」と声を落とす。「要請が出るたびに内容を調べないといけない。守っていない店もあり、正直者がばかを見る状況だ」と苦言を呈した。

 一方、今回は対象地域から外れた千葉市。熊谷俊人知事は、感染状況次第で同市を追加する可能性に言及している。同市中央区のJR本千葉駅近くで日本料理店「いね」を営む稲垣幸司さん(73)、はる美さん(79)夫妻は「店としてはつらいが、今の感染状況では(追加も)仕方ない」と理解を示した。


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