2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

堀口紅楓展の曲譜

  だれもが言う。

  一度会ったら二度会いたくなる人、それが書道家の堀口紅楓さん。

 目元・口元からほころびる笑顔は、めだたないようでいて華やか。

 二〇〇七年十一月、東金文化会館二十周年記念「堀口紅楓書展」におじゃまする。

 案内状に添えて、ご本人の手で「是非、是非、是非……」とあり、私は千葉市立海浜病院に通院中の身を二度運んだ。

 場内は作品群に溢れ、吸引されるような感動を覚えた。

 テーブルに置かれたリーフレットで、紅楓さんのメッセージを読む。

 「私の出逢ったアーティスト」というタイトルに続き、展覧会につながる一文があった。

 概要は、東金文化会館で鑑賞した百七十余のステージから、感興の赴くままに作品化、即ち「書」にしたというのだ。

 例えば案内状に使用された作品『静一』は、静かで一つのことに集中する――チェン・ミン(二胡奏者)の演奏からイメージしたという。

 中には出演者にインタビューし、ヒントを得たものもあるが、大半は作家の目、芸術的意識がとらえたエンターテインメント・プロフィール、そのイメージ・フィルムを「書」として現像した、といった制作過程だったようだ。

 作品ごとに寸言が添えられ、作家の優れた感性がうかがわれた。

 秋川雅史をイメージした「書」は『凛』、りりしいさま、という言辞が贈られる。秋川雅史さんは、会場を訪れ、感激していたという。

 市原悦子を描出する作品『温言』は、人懐っこい小品で、おだやかでやさしいことば、という語意を添付。

 坂本九ちゃんの歌を歌うタイムファイブ、作品の『見上げてごらん夜の星を』には、堀口紅楓さんの思いが寄せられていた。――22年前の8月12日、飛行機事故で亡くなった九ちゃんのことは忘れられない。私(紅楓さん)が、上海でこれから飛行機にのって帰国しようとしていた時なのです。

 加藤登紀子のイメージ『キブアップトモロウ』は、めずらしく横文字書きだった。これまでにも筆書きの英語作品はあまり見ない。紅楓さんのイングリッシュ書道は、かわいらしくて、夢があって、すっかり楽しんでしまった。

 千葉県少年少女オーケストラ『九層臺起累土』は、大額に大書された異色作だった。真書体に工夫を凝らし、どこか積み木のイメージもある。添えられた言句に、広大な事業も小さな積み重ねによって成る、とあり、名作の風格だった。

 深沢亮子を象徴する『閨秀楽師』は、確かさと優しさを兼ねた文字で、その才媛と人柄を提示している。添えた言葉は私信文で、東金市ご出身ということで、近いところで聴くことができ幸せです。...


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