女流の新刊を読む

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 期せずして、仲良しの二人の女流から、前後して新刊本が届いた。

 紀の崎茜さんは「少年詩集地球に生まれて」(宮坂印刷)と題し、作者が少年の目線を借りて、自分なりのメルヘンに遊ぶ詩集と言える。

 

 〈おめでとう!!〉

 月の大地に

 地球が昇る

 月探査衛星「かぐや」が捉えた地球の

 なんと美しいこと

 ダイヤモンドが息をしているよう

 そしてたったいま

 「地球」という名の

 この星に生まれた赤ちゃんたち

 おめでとう

 

 〈海と少年〉

 少年がひとり

 海に向かって走ってゆく 走ってゆく

 自分をどこかに忘れてきたように

 光のかたまりとなって

 

 〈彼岸花〉

 コチラヲ

 見テイル!

 土ノ中カラ

 手ガノビテ

 

 詩文が散文と異なり、作者自身がメルヘンに遊ぶもの(自己開発)なら、読者もまた自分の好みで感受でき、夢想の世界を展開できるはずだ。

 そしてふと、この詩集の奥行きには「生」と「死」のハーモニーが織り込まれている……そう感じた。

 今回出版された「夢子」は、登場人物のトラさんの持つ温かさやぬくもり、思いやりが一貫して感じられる。(後略)・・・