専松、高橋217球で力尽きる 渾身スライダー「自分のベスト」

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 こん身のスライダーに、主審の右腕は上がらなかった。十三回1死満塁フルカウントから、高橋礼が投じたこの日の217球目。外角へ外れたその一球に、悔いはない。「ずっと練習してきた球種。自分のベストなボールだった」。専大松戸エースの夏は、押し出し四球で幕を閉じた。

 九回で既に体力は限界だった。だが、持丸修一監督は「高橋が打たれて負けたら仕方ない。代えて打たれたら、悔いが残るから」。高橋も「監督さんの目を見れば伝わった。我慢するだけだと思って投げた」。続投も最後の一球も、エース自身が選んだ結果だった。

 「3点ゲーム」と考えていた。だから、後悔を残したのは四回に浴びた逆転の2点二塁打の方。「甘く入った。その一球だけが悔しい」。無情な幕引きより、相手1年生に左翼手の頭を越えられたことを何より悔いた。

 32回1/3を投げ、3失点。185センチの長身サブマリンが、低い位置から浮き上がるその球の軌道のように、描いた成長曲線を示した夏だった。