千葉県南部海域、磯焼け拡大 内房の藻場5割超消失か 千葉県、食害魚を有効活用

海藻が生い茂っていた館山市船形沖の海底(2019年5月)=千葉県提供
海藻が生い茂っていた館山市船形沖の海底(2019年5月)=千葉県提供
磯焼けで藻場が消失した(19年12月)=千葉県提供
磯焼けで藻場が消失した(19年12月)=千葉県提供

 千葉県南部の海域で、海藻が育ち魚介類の生息域となる藻場が消失する「磯焼け」が拡大している。特に内房の岩礁域で深刻化しており、2017年度の県調査では5割超の藻場が消失したと推計され、現在も被害は広がっている。魚による食害が磯焼け発生の要因の一つで、県は漁協などと連携して海藻を食べ尽くす魚の有効活用を推進している。

(小野洋)

 県漁業資源課などによると、アラメやカジメといった海藻が岩礁域に生い茂ってできる藻場は、アワビなどの漁場のほか、魚のすみかや産卵場所になっている。命を育むことから「海の林」ともいわれている。

 県が17年度に実施した内房海域の調査では、館山市と南房総市、鋸南町の沖合にある岩礁域の約57%で藻場が確認されなかった。漁業関係者は平成20年代半ばごろから、磯焼けが目立つようになったと指摘している ・・・

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