

イオン(千葉市美浜区)は30日、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」シリーズの計60品目を1日から値下げすると発表した。調味料や日用品などの生活必需品を中心に最大33・6%値下げした。秋の値上げラッシュが続く中、節約志向が強まる消費者の取り込みを狙う。
(粕谷健翔)
トップバリュ商品の値下げは今年2回目。4月には75品目を対象に実施した。30日、記者会見したイオントップバリュの土谷美津子社長は「相次ぐ値上げで消費者心理は厳しさを増している。知恵を絞り、特に必需品についてはお買い得価格を提供していく」と強調した。
帝国データバンクによると、2025年1~9月に国内で値上げされた食品は2万品目を超え、すでに昨年を上回った。10月も約3千品目が値上げされる見込み。一方、別の調査では「PB商品への切り替えが増える」とした消費者は7割に上るなど節約志向が強まっている。
こうした中、イオンは原材料調達や生産体制の効率化により、値下げを実現。「トップバリュベストプライス」ブランドの「昆布香るつゆ」が税抜き価格で248円から238円に、「ロースハム」が298円から278円に下がる。パックご飯も2種類で各20円値下げする。日用品では、「不織布立体マスク」が798円から598円になる。
コメ価格の高騰が続く中、コメ関連の新商品も充実させる。9月に販売開始した「アレンジできる冷凍ご飯」は、下味付きで最終調理は自分でしたいというニーズに対応。在宅勤務や孤食化が進む中で需要が増す「ワントレー」では、若年層をターゲットに、一皿で丼物やパスタを同時に味わえるボリューム満点の商品にした。
土谷社長は「低価格と品質を両立した商品開発で、消費者のニーズに応える」とし、今後も家計支援と需要創出を同時に進めていく考えを示した。