大自然の中を蒸気機関車(SL)が駆け抜けることで知られる静岡県の大井川鉄道が10日、会社創立100周年を迎えた。鉄道ファンの人気を集める一方、赤字が続き、台風被害による区間運休の長期化など経営は苦しい。鳥塚亮社長(64)は「老若男女に愛されるシンボルとして、SLを次の世代に引き継いでいきたい」と路線維持への決意を口にする。
同社は1925年、大井川上流部からの木材搬出や水力発電所建設を目的に設立。2年後から鉄道の営業を始め、沿線住民の足としても使われたが貨物、旅客輸送の減少で60〜70年代に観光路線にシフトした。
軸となるのが70年代から続くSLの運行だ。昭和初期製造の車両が2024年度も200日以上走る予定。壊れた部品の製造が終了している場合、旧国鉄職員から技術を引き継いだ同社社員が自作することもある。
ただ、22年9月の台風15号の大雨で土砂崩れなどの被害に遭い、川根温泉笹間渡―千頭間(19・5キロ)は再開の見通しが立っていない。同社は5期連続の赤字。費用捻出は容易ではない。