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母親殺害で長男無罪 千葉地裁、心神喪失を認定

 船橋市高根台の自宅で2014年6月、同居する母親=当時(71)=を刃物で刺して殺害したとして、殺人罪に問われた無職の長男(46)の裁判員裁判で、千葉地裁(高橋康明裁判長)は20日、「統合失調症の圧倒的な影響下で行われた。心神喪失の状態にあったという合理的な疑いが残る」として無罪(求刑・懲役10年)の判決を言い渡した。

 公判では、長男が罹患(りかん)する統合失調症の程度による責任能力の有無などが争点になった。検察側は「心神耗弱にとどまる」と主張。弁護側は「病気の圧倒的な影響で行動制御能力を完全に失った」として無罪を求めていた。

 高橋裁判長は判決で、母親との関係性や犯行後の行動などを検討。母親と大きなトラブルが生じたことは一度もないことなどから、計100カ所以上の傷を負わせた今回の犯行は「病状が安定している状態の人格とは異質。犯行の意思や目的を、正常な精神機能の面から理解することは困難」と判断した。

 また、犯行後の逃走などを「自己防御行動」とする検察側の指摘については「統合失調症による拒絶や思考障害による健忘の影響が否定できない」と説明。「統合失調症で一貫した行動をとることが難しく、自身の判断を挟む余地はなかったとの疑いが残る」と結論付けた。

 弁護側は公判で「母親が先に刃物で襲ってきた可能性がある」として正当防衛の成立も主張したが、高橋裁判長は「作話の可能性もあり信用性は低い」として退けた。

 判決を受け、千葉地検の広瀬勝重次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対処したい」とコメント。弁護側は「責任能力について妥当な判決だった」と話した。

 長男は14年6月21日夜~22日朝、自宅で母親を刃物で刺して殺害したとして逮捕。千葉地検は約3カ月間にわたって鑑定留置を実施し、責任能力の有無などを調べていたが、同年10月に「責任を問える」として起訴した。


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