櫓炬燵のあった暮らし 仲冬の民家 絵・文 道塚元嘉 【民家の四季】

 夕暮時になって、軒下の影はいっそう深みをます。その下に歳月を刻む白障子が、昔の暮らしをうつして建てこまれていた日。古くなってすっかり色あせた障子紙に、細い木組の桟が、あの弓張提灯を見るように繊細に描きだされていた。そのいいようのない美しさは、忘れがたいものがある。よく民家は紙と木の家といわれるが、その模範はや ・・・

【残り 1394文字、写真 1 枚】



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