「家康公の時計」 復刻品、御宿町に寄贈 静岡商議所 久能山東照宮「縁を大切にしたい」 7日から役場で一般公開

復刻品「家康公の時計」を贈る(左から)後藤会頭、落合宮司と受け取る石田町長=2日、御宿町
復刻品「家康公の時計」を贈る(左から)後藤会頭、落合宮司と受け取る石田町長=2日、御宿町

 徳川家康にスペイン国王フェリペ三世が人命救助のお礼として贈った西洋時計「家康公の時計」の復刻品の贈呈式が2日、御宿町で行われた。400年前、海を越えて日本に渡った時計の史実の発端が同町だったとして、実物を保管する静岡市の久能山東照宮と静岡商工会議所が「御宿との縁を大切にしたい」と寄贈した。7日から役場で一般公開する。

 同町には、1609年に御宿沖でスペイン船が座礁し、海女らが乗組員317人を助けた歴史がある。乗組員は駿府城で家康と面会し、新造船を与えられ目的地メキシコへと向かった。西洋時計は11年、フェリペ三世から、お礼の品として届けられた。

 実物は家康の死後、久能山東照宮で保管された。日本最古の西洋時計で国の重要文化財。

 復刻品は実物とほぼ同じ色、形、重さ。金色で、高さは21・3センチ、重さは2・4キロある。中身は最新技術となっており、乾電池式の電波クオーツ時計。

 来年の家康の400回忌を記念した事業の前に、同会議所などが製作を企画した。製作は静岡の時計店が400個限定で担い、22万円で販売する。寄贈されたのは、そのうちの一つ。

 同会議所の後藤康雄会頭は「(海難救助を基にした)日本、スペイン、メキシコの友好ストーリーが、この時計の価値を一層高めている。史実をあらためて考えるきっかけになれば」と期待。久能山東照宮の落合偉洲宮司は「御宿の先祖の気持ちに報いたいと寄贈を計画した。喜んでもらえたらうれしい」と話した。

 これに対し、石田義広町長は「祖先が成した誇りある出来事を後世に伝える象徴になる」と感謝の言葉を述べた。

 同会議所によると、新造船建設とゆかりのある静岡県伊東市にも来月、復刻品を贈るという。


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