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社説

体験を未来につなぐ 高齢者と共に地域活性化を


 古くからの商店街が衰退しつつある。車の利用が多くなったことで、郊外型の大型小売店などに消費者が集中。駅前にあっても、車の利便性に難のある商店街は集客に苦しんでいる。

 最も不便を感じているのは、車の運転ができず、足が悪いなどで外出しづらい高齢者だろう。近くの店は閉店しスーパーも利用が困難な、取り残された消費者だ。

 現状を打破するため、地域おこしのイベントが各地で行われているが、よさこいソーランなどの踊りや、音楽イベントが多数。ここでも高齢者は取り残されているのが実態。

 老若男女を問わず参加できる地域活性化イベントが望まれるが、そんな一つが千葉市稲毛区の「稲毛あかり祭夜灯(よとぼし)」だ。

 今年も21、22の両日夜に開かれる。京成稲毛駅から稲毛浅間神社に向かうせんげん通り商店街周辺に、手作りの竹灯籠(とうろう)を多数並べる「光のイベント」だ。2006年から始まった行事だが、昔の稲毛の歴史的情景を再現した「古くて新しい」催しでもある。

 埋め立て前、遠浅だった稲毛は、都内からの海水浴客などでにぎわった。また夜の海では、カンテラの明かりで潮だまりの魚などを捕る「夜とぼし漁」が行われていた。

 イベントにはカンテラの明かりとともに、当時のにぎわいを取り戻そう-との願いがあるのだろう。

 千葉大学生のグループと地元商店街の若手店主がアイデアを出し合って始められたが、4回目となった今では、商店街ばかりでなく地域一体となったイベントに成長している。

 ポイントは、昔の情景を知る高齢者が小学生に当時の様子を語るなど、地域の歴史を未来を担う子どもたちに伝えていることではないだろうか。

 経験を共有することは、高齢者にとっても大きな励みになるだろう。

 県内の他の地域にも、その地域の歴史を生かした「古くて新しい」イベントがあるはずだ。

 ただし、年に一度の地域おこしイベントだけで、商店街が活性化するとも思えない。

 商店も昔に帰って、高齢者宅などを得意先に「御用聞き」を復活するなど、古くて新しいアイデアが求められそうだ。

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