5月に“引退”を控える大型クルーズ船「にっぽん丸」(定員422人、2万2472トン)が15日、館山市の館山港に寄港した。通算31回目となる今回が最後で、同日午前に館山夕日桟橋に着岸。下船した観光客は「引退はさびしい」とつぶやきながら、歓迎イベントや市内の食などを楽しんだ。
同船は商船三井クルーズが所有し、運航する。2000年に同港が「特定地域振興重要港湾」に指定され、同市は国や県と連携して誘致活動を行い、03年8月8日に初寄港。例年、同日に開かれる花火大会に合わせた寄港が定番となった。全国から多くの観光客が訪れて経済効果を生み出してきたほか、地域住民にも親しまれた。市担当者は「海辺の街づくりの象徴。にっぽん丸と一緒に歩んできた」と振り返った。
今回のクルーズは引退に向けた「にっぽん丸グランド・フィナーレ」の一つで、前日夜に八丈島を出港して到着した。歓迎セレモニーで、森正一市長は「にっぽん丸に敬意を表するとともに、たくさんの館山港へのご寄港に感謝する」とあいさつした。
愛知県から訪れた伊東健光さん(75)は、25回目の乗船といい「最後なので、船の6階にある値段の高い部屋を取った。館山ではグルメ巡りが楽しみ」。妻の弥生さん(71)は「この船が好きなので名残惜しいし、最後は泣いてしまうかも」と感慨深い表情だった。
市によると、同船の引退後の後継船として、同社の「三井オーシャンサクラ」が10月1日に寄港する予定という。
(島津太彦)








