政府の観光促進事業「全国旅行支援」の新規予約受け付けを停止する事業者が相次いでいる。11日に制度が始まったばかりだが、都道府県ごとに予算を事業者に細かく配る仕組みで、事業者によっては早くも割当枠を消化したためだ。観光庁は都道府県に事業者ごとの配分額を見直し、融通するよう求めている。国費の追加投入も視野に入れている。
旅行支援事業は国費で行う。「Go To トラベル」予算の一部の5600億円と、「県民割」向けの3300億円の残額を原資に充てる。観光庁は既に、過去の宿泊実績などに基づいて47都道府県に配分額を提示。都道府県はこの予算を旅行会社や予約サイト、宿泊施設に配り、各社はその範囲内で商品を販売する仕組みだ。
山形県は予算を10、11、12月に分けて配る予定だが、1回目の配分を使い切った事業者が受け付けを停止する事態となっており、11月分の一部前倒しを決めた。
「地元事業者に多めに配ったり、当初の見込みが甘く不足が生じたりする事例もある」(政府関係者)といい、観光庁は過去の販売実績に応じた配分の徹底を都道府県に要請した。
一方、アクセス集中で旅行会社のサイトがつながりにくくなるなど利用客の関心は高い。自治体関係者は、予算配分を見直しても「売れ行きが好調なら予約停止となる事業者がさらに広がる可能性もある」と予測する。
観光庁はトラベル事業や県民割の残額で12月下旬まで対応する方針を示してきたが、松野博一官房長官は12日の記者会見で「追加配分も必要に応じて適切に対応する」と言及した。