2021年8月29日 17:31 | 無料公開

匝瑳署の警官発砲で、規制線の張られた現場付近=29日午前10時半ごろ、匝瑳市吉崎
匝瑳市吉崎の住宅敷地内で28日午後8時ごろ、のこぎりを振り回して襲いかかってきた男に匝瑳署の男性巡査長が拳銃1発を発砲し、銃弾は男の胸から腹部の間に当たった。同署によると、男は公務執行妨害容疑で現行犯逮捕されたが、約3時間半後に搬送先の病院で死亡が確認された。
署は死亡したのは、近くに住む無職、江波戸清一容疑者(74)と発表した。死因は外傷性血気胸とみられる。
署によると同日午後6時40分ごろ、容疑者から「隣の家の(穀物用)乾燥機がうるさい」と110番があった。同署の巡査長と警部補の2人が乾燥機の所有者宅で事情を聴いていると「まだうるさい」と再び110番が入り、容疑者が現場に現れ、のこぎりを振り回しながら向かってきた。
巡査長は「止まれ、(凶器を)捨てろ」と、上空に向けて1発を発砲。しかし容疑者は2メートルほどの距離まで近づき、巡査長の頭にのこぎりを振り下ろそうとしたため、巡査長は「撃つぞ」と警告した上で、容疑者に向けて発砲したという。
同署の高谷義則次長は29日、拳銃使用について、住民や署員に身の危険があったとして「適正な使用だった」とコメントした。
署には過去にも、容疑者や相手方から騒音に関する相談が計4回寄せられていたという。
千葉日報だけの「社会」記事を見たい方