千葉県内RSウイルスが猛威 コロナ対策で免疫得られず?都市部の感染目立つ 1週間で千人、過去最多

過去5年間の県内RSウイルス感染症の定点医療機関当たり報告数。今年は5月下旬から増加している(千葉県衛生研究所提供)
過去5年間の県内RSウイルス感染症の定点医療機関当たり報告数。今年は5月下旬から増加している(千葉県衛生研究所提供)

 乳幼児の肺炎や気管支炎の原因となるRSウイルス感染症が千葉県内で猛威を振るっている。県衛生研究所によると、県内134の定点医療機関から7月12~18日に報告された感染者数は1129人に上り、1週間の感染者数としては現在の集計が始まった2003年11月以降、過去最多となった。同月26~8月1日も740人に達し、昨年の年間感染者318人を1週間で大幅に超える状況が続いている。全国的にも昨年より増加傾向にあり、担当者は「例を見ない流行。手洗いやうがい、消毒を徹底して」と呼び掛けている。

 米国やフランスでも感染が急増。新型コロナウイルス対策の徹底によって、昨年のRSウイルス感染者数が減り、十分な免疫を獲得できなかった子どもが増えたのが原因という見方が濃厚だ。

 専門家はインフルエンザなど昨年流行しなかった他の感染症についても、反動で今後流行が例年以上に拡大する可能性があると指摘している。

 県内では5月下旬からRSウイルス感染者が増加。県衛生研究所によると、7月12~18日の感染者の内訳は、3歳以下が83%を占め、中でも1歳が308人(27%)で最多。次いで2歳が253人(22%)、3歳が174人(15%)だった。前年同期の感染者は2人で、通常は秋に流行する。

 同所の担当者は「昨年は新型コロナ対策の影響で年間を通してRSウイルスの感染者が少なかった。感染経験がなく、免疫がない1歳児の感染が増えている」と分析。7月19日以降の週は減少しているが、「幼稚園が夏休みで施設での感染が減った。流行が収まっているかは何ともいえないので、引き続き注意してほしい」と促している。

 柏市や習志野市、松戸市など子どもの人口が多い都市部で感染が目立つ。柏市保健所は「風邪に似た症状のため検査しないことがあるが、感染拡大を受けて各医療機関に注意喚起をしており、検査数が上がっている」と指摘。集団感染しやすい幼稚園や保育園については「感染者がいる園に経過観察表の提示と衛生面の指導を行っている」と説明した。

◇RSウイルス感染症 発熱やせきなどが主な症状。通常は軽症ですむが、乳幼児は細気管支炎から呼吸困難になって死亡することもあり注意が必要。しぶきやせきによる飛沫(ひまつ)感染や、なめたおもちゃの共有など接触感染で、2歳までにほとんどの子どもが感染する。その後も感染を繰り返すことで徐々に免疫がつき、感染しにくくなる。


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