運転手「オーディオ操作」 ブレーキ痕なし 工事車両大破し横転 千葉市7人死傷事故

 トラックの前部は大破し、ワゴン車は後部ドアがめくれ上がるほどの衝撃を受け横転していた。千葉市美浜区の下水道工事現場で、11日未明に発生した7人死傷事故。タンクローリーは警備員2人をはねた後、工事関係車両4台の列に突っ込み、車両の間にいた作業員らが巻き込まれたとみられる。現場にはブレーキ痕がなく、千葉西署は事故当時の詳しい状況を調べている。

 同署によると、死亡した千葉孝広さん(50)=同市稲毛区=は、女性警備員と3車線のうち工事中だった中央の車線で交通誘導を行っていた。タンクローリーの近藤直樹容疑者(43)=市原市=は「カーオーディオを操作していた」と供述しており、正面にいた2人の発見が遅れてそのままはねたとみられる。

 工事関係車両は2トントラック、4トン汚水搬送車、ワゴン車、作業車の順に並んでいた。車内に人はいなかったが、死亡した伊藤明さん(41)=横浜市=ら作業員の大半がトラックと汚水搬送車の間にいたとみられる。

 現場には車両のガラス片が散乱し、トラックの前部や荷台はゆがんで大破していた。多くの作業員らが倒れる中、目撃した近くのガソリンスタンドの店員が119番通報した。

 千葉市によると、工事には作業員7人と警備員4人が従事。現場周辺の計約840メートルの下水管を対象に、震度6強に対応する耐震補強工事が10月下旬から始まっていた。事故当時は、既存の下水管に重ね入れた補強用の管とマンホールのふたを接合させる作業中だった。

 現場付近を毎日早朝に散歩するという近所の男性(68)は工事開始以降、中央以外の車線でも工事が行われる様子を目にしていた。「3車線もある見通しの良い直線なのでスピードを出す車はいるが事故は起こりにくいと思っていた。こんな事故が起きるなんて」と驚いた様子で話した。


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