<野田小4女児死亡>市教委、父に回答渡す アンケートに「暴力受けた」 市長謝罪

記者会見で謝罪する野田市の鈴木有市長(中央)、佐藤裕教育長(右)ら=31日午後、同市役所
記者会見で謝罪する野田市の鈴木有市長(中央)、佐藤裕教育長(右)ら=31日午後、同市役所

 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡しているのが見つかった事件で、市と市教育委員会は31日、市役所で記者会見を開き、心愛さんが「(父親から)暴力を受けている」と回答した学校アンケートのコピーを、父親の勇一郎容疑者(41)=傷害容疑で逮捕=に渡していたことを明らかにした。鈴木有市長は会見で「関係機関が連携できず、幼い心愛さんの命を救えなかった。心から申し訳なく思う」と謝罪した。

 市教委などによると、千葉県柏児童相談所による心愛さんの一時保護が解除された約2週間後の昨年1月12日、学校と市教委、心愛さんの両親による三者会談が行われた。勇一郎容疑者は「暴力はしていない」「訴訟を起こす」などと激しく抗議し、心愛さんが記入したアンケートの実物を見せるよう強く求めた。

 学校側は、心愛さんの同意がないことなどから拒否したが、同15日に市教委を訪れた勇一郎容疑者が心愛さんが書いたとされる同意書を提示。妻が同意書の内容に間違いはないと述べたため、市教委はアンケートのコピーを手渡した。

 記者会見で経緯を説明した市教委の担当者は、コピーを渡すことについて「心に引っかかりはあった」とする一方、「威圧的な態度に恐怖を感じ、屈して渡してしまった。(渡すことで)安心感があった」と、勇一郎容疑者の怒りを静めようとしたことを認めた。

◆知事「隙間あった」 周囲の見守り協力も訴え

 森田知事は31日の記者会見で、野田市の小4女児死亡事件について、家庭以外の関係者の対応に「隙間があったことは事実」と述べ、幼い命が失われた結果の重大さを踏まえ、検証や再発防止を進める考えを強調した。女児は県柏児童相談所が一時保護していた。

 併せて「小さい子どもは宝。私たちが温かく見守り、おかしなことがあれば連絡するなど周囲からの情報も大事。みんなで協力し、こういう事件をなくすという気持ちを持たなければ」とも呼び掛けた。県は第三者による検証委員会を設置予定。緊急的には、県の児相が関与した事案のうち、在宅中の子どもの安否確認徹底を図る。


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