発覚1カ月も身元不明 住民に不安「早く解決を」 九十九里浜の死体損壊・遺棄

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女性の部位が見つかった場所
女性の部位が見つかった場所

 九十九里浜のおよそ10キロの範囲内4カ所で女性の切断遺体が見つかった死体遺棄事件は、29日で発覚から1カ月。千葉県警は東金署に特別捜査班を設置し、茂原署を加えるなど体制を強化しているが、身元の特定に至っていない。「身元さえ分かれば」と話す捜査幹部の表情は険しく、周辺住民からは「早く解決してほしい」と不安の声が上がっている。

 9月29日、大網白里市四天木の堀川河口で、釣り人が胴体を見つけた。3日後の今月2日には、九十九里町片貝の片貝海岸で頭部が、さらに、白子町浜宿の浜宿海岸で右脚が相次いで見つかり、8日になって九十九里町小関の片貝漁港で左脚が見つかった。

 司法解剖などの結果、遺体はDNA型が一致し、同一女性と判明した。50~70代の白髪で、身長約150センチ。甲状腺に腫れがあり、出産を経験している。のこぎりのような刃物が使われたとみられる切断面以外に目立った損傷はなく、死因は分かっていない。両脚は足首から先がなかった。

 女性の死亡から遺体が遺棄されるまで数日程度と推定される。9月下旬に死亡し、死後に切断され、同時期に遺棄されたとみられる。

 ある捜査幹部は「堀川の橋から遺棄したとみている」と話した。しかし、胴体が見つかった2日後には台風24号が接近し「台風で潮の流れが変わった。遺棄場所ははっきりとは分からない」と表情を曇らせる。

 胴体が見つかってから6日後の今月5日、県警は遺体を基にした女性の似顔絵をホームページなどで公開。これまでに「似た人を知っている」などと約50件の連絡があったが、有力な情報はないという。

 別の捜査幹部が「重要な手がかり」と話す身元特定の鍵は、左右の下奥歯2本ずつのインプラント治療痕。県警は歯科医師会を通じて全国の歯科医院に情報提供を呼び掛けている。

 九十九里浜一帯は、通年で県内外からサーファーが訪れる人気スポット。頭部が見つかった片貝海岸近くでサーフショップを営む60代男性は「海岸に来るサーファーが一時的に減った」と心配そうに話す。

 「犯人がまだ周辺に潜んでいると思うと怖い」。大網白里市の男性は不安を口にする。男性以外にも周辺住民からは「早く犯人が分かれば」と、事件解決を願う声が相次ぐ。

 胴体が見つかってから1カ月。「手応えは何とも言えない。(容疑者を)早く捕まえないと」と捜査関係者。県警は女性の身元特定に力を入れるとともに、防犯カメラの映像を解析するなどして、遺体の損壊、遺棄について知る人物の行方を捜している。