閉館半年も施設にイルカ メス1頭、譲渡交渉難航か 銚子・犬吠埼マリンパーク

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閉園した犬吠埼マリンパークで飼育されているイルカ(PEACE提供)=今年3月、銚子市犬吠埼
閉園した犬吠埼マリンパークで飼育されているイルカ(PEACE提供)=今年3月、銚子市犬吠埼

 施設老朽化などで今年1月末に閉館した銚子市の水族館「犬吠埼マリンパーク」で、閉館から半年以上経過した現在もイルカ1頭が施設内の屋外プールで飼育されていることが16日、分かった。譲渡交渉が難航しているためとみられる。マリンパーク側は千葉日報社の取材申請に、県を通じて「応じられない」としている。

 千葉県衛生指導課によると、イルカはメスのバンドウイルカで、18歳ぐらい。名前はハニー。昨年末ごろ、一緒に飼われていた別の雌イルカが死に、以降は1頭のみになった。同施設の閉館後も運営会社が管理を続けており、従業員が餌やりをしている。

 千葉県海匝保健所は、同施設の閉館後も月1回ほど立ち入り調査を実施。今年2月には背中に乾燥性のひび割れを確認していたが、ワセリンを塗って治癒したという。同課は「水槽の水質に問題はなく、イルカはきちんと飼育されていると認識している」と説明した。

 複数関係者によると、マリンパーク側が進めていた業者との交渉が難航、または決裂したなどの理由で、譲渡先が決まっていないとみられる。同市観光商工課は「(譲渡交渉について)直接的には承知していない」としながらも、「運搬コストが支障になっているのでは」とみる。

 一方、ハニーの飼育状況に注目する動物愛護団体「PEACE」(東京都豊島区)は、「(他団体と連名で運営会社などへ)質問状を送ったが回答は届いていない。ハニーの体調や、いつまで飼育できるのか状況が分からず、大変心配」などとコメントした。

 同保健所は昨冬、同施設に立ち入り調査を行い、水質改善を求める行政指導を実施。一方、運営会社は取材に対し「水質には問題ない」と説明していた。

 銚子市によると、マリンパークは市が1954年に設置した水族館が始まりで、63年に民間に売却。2011年の東日本大震災以降は客足が遠のき、経営が悪化。今年1月末に閉館を発表した。