<松戸小3女児殺害>渋谷被告が無罪主張「全て違います」 検察側、DNA型を根拠に

  • LINEで送る

初公判前に心境を語るリンさんの父親=4日午前8時55分、千葉地裁前
初公判前に心境を語るリンさんの父親=4日午前8時55分、千葉地裁前

 昨年3月に松戸市立六実第二小3年だったベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=が殺害された事件の裁判員裁判初公判が4日、千葉地裁(野原俊郎裁判長)で開かれ、当時の同小保護者会長で殺人と強制わいせつ致死、わいせつ目的誘拐、死体遺棄の罪に問われた渋谷恭正被告(47)=同市六実4=は「全て違います」と起訴内容を全面否認し、無罪を主張した。「検察側の主張は全て架空で、捏造(ねつぞう)されたもの。一切関与していない。全面的に無実、無罪を主張する」と述べた。
 
 起訴状などによると、渋谷被告は同小の修了式だった昨年3月24日、登校中のリンさんをわいせつ目的で軽乗用車に乗せて連れ去り、車内などでわいせつな行為をし、首を圧迫して窒息死させ、我孫子市の排水路の橋の下に遺棄したとしている。遺体が見つかったのは同26日。全裸の状態で枯れ草や泥が付いていた。

 冒頭陳述で検察側は、渋谷被告が使用する軽乗用車の後部座席の床マットや中にあった軍手などから見つかった血液や、キャンピングカーにあったネクタイの結束部から検出された唾液から採取したDNA型が、リンさんと同一だったと指摘。「キャンピングカーにあった手錠や遺体の腹部などからは、混合したと考えられる2人のDNA型が見つかった」とした。

 犯行状況について「特異かつ冷酷、残酷で悪質。一定の計画性がある。被告は反省の態度が皆無。遺族は極めて厳しい処罰を求めている」と述べた。

 弁護側は「実は事件前にリンちゃんが軽乗用車に乗ったことがある。その時、膝を擦りむいていて血が付いた可能性がある」と反論。「捜査機関が犯人と見立てた渋谷さんのDNAを意図的に混入させた疑いがある」とし、DNA型鑑定の信頼性にも疑義が生じるとした。

 自宅の防犯カメラ映像から、リンさんは昨年3月24日午前8時すぎに自宅を出て行方不明になった。検察側は同日午後3時44分ごろからの1時間に渋谷被告の軽乗用車が、リンさんのランドセルなどが見つかった利根川河川敷付近の野田市内を往復していたとする画像を示し、ドライブレコーダーの記録は4月に消去されたとした。

 弁護側は「リンさんの指紋が車になく、遺棄現場に被告の足跡が残っていない。それらの客観的証拠が一切ないのは不自然。DNA型鑑定だけで判断してよいのか。事件当日の明確なアリバイがないだけで、犯人で間違いないと言えるのか」と疑問を呈した。
 
 リンさんの父親のレェ・アイン・ハオさん(35)も被害者参加人として初公判に参加した。62席の一般傍聴券の抽選に400人が並んだ。