障害負けず全力プレー 「野球は命」4番打つ 成田・吾妻小6年 小川颯介君

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バットの握り方は右手だけで持ち、左手は支える
バットの握り方は右手だけで持ち、左手は支える

 「野球ができるなら問題ない」-。少年野球の成田ゴールデン・ウィングス(成田市)で、生まれつき左手首から先がない成田市立吾妻小6年の小川颯介君が活躍している。右手を巧みに使ってプレーして「すごく楽しい。野球は命みたいなもの」と明るく話す。

 元球児だった父、賢一朗さんに勧められ、5歳で野球を始めた。小学3年の秋、同チームに入り、最高学年となった今年は「4番・レフト」など主戦を張り、副主将も務める。

 グローブは左利き用。右手でボールを受け取ると、左脇にグローブを挟んでボールを素早く抜いて再び右手で投げる。投手の時は左手首にグローブを乗せて投球し、すぐに右手にグローブをはめて守備に入る。大人用のグローブを使って、手の出し入れをしやすくしている。

 米大リーグには、生まれつき右手首から先がない障害を乗り越え、通算87勝を挙げたジム・アボット元投手がいる。グローブを持ち替えての投球は同じだが「見たことない」。野球を始めたころ、賢一朗さんと何度も練習し体に染みこませた。

 打撃は左打ち。右手でバットのグリップを目いっぱい長く持ち、左手は添えるだけ。右腕の力を頼りにバットを振り「みんなが驚くぐらい力がある」と力こぶを見せる。チームの橋本拓男代表は「手打ちの子が多い中、下半身で打つフォームが身に付いている」と目を見張る。

 障害に負けずに白球を追う小川君は笑顔で話す。「『すごいけど、不便じゃないの』とよく他のチームの子にも言われるけど、全然問題ない。貧しい環境でできない人もいる。野球ができるだけで楽しい」

 300回の素振りは日課で、鏡があればシャドー投球に打ち込む。「本人が夢中になるのはいいこと。周りの人が受け入れてくれるので、不安は全然ない」と母、綾子さん。小川君は「ちゃんと自分の仕事ができる選手になりたい。俺の所に(打球が)飛んできたら安心してほしい」とチームメートに自慢の堅守をアピールした。