【千葉県民の日特集】 東大旧緑地植物実験所で観蓮会 ハス100種、通年で管理 大賀ハスのふるさとの会

オオガハスなどハス約100種が育てられている東京大学旧緑地植物実験所=千葉市花見川区
オオガハスなどハス約100種が育てられている東京大学旧緑地植物実験所=千葉市花見川区

 オオガハスの種が見つかった場所近くの東京大学旧緑地植物実験所では、千葉県の天然記念物に指定された「検見川の大賀蓮(はす)」などハス約100種が育てられている。地元有志による団体「大賀ハスのふるさとの会」が管理し、開花シーズンに観蓮会を開いてオオガハスの文化の伝承と普及に努めている。

 実験所では大賀博士が収集していた貴重な花ハス10種を栽培、順次、世界の花ハスを加えてきた。1967年からは花園ハスまつりの観蓮会として地域に開放し、夏の風物詩地して愛されてきた。

 2012年の実験所閉鎖に伴って地域で管理することになり、花ハスを愛する市民により同会を結成した。現在は実験所に残る約100種のハスを系統保存する。

 活動日は主に第1、3土曜日。春は土の交換と蓮根の整理、夏は藻の除去と観蓮会の準備、秋は果托の回収や種の選別、冬は周囲の木々の枝切りなどに汗を流す。さらに近隣小学校での栽培指導、講演会の講師など歴史の伝承にも奔走している。

 同会活動の原点は「花ハス圃場(ほじょう)の継承」。実験所閉鎖の際、開発計画があったが、豊かな自然を残そうと会員らの尽力で存続が決まった。同会の金子建一郎会長は「実験所内は四季折々、さまざまな花が咲く。一回入ってもらえれば魅力が分かる」と力を込め、7月9~24日の土日祝日の無料開放に多くの県民が来場し、にぎわうことを期待していた。


  • Xでポストする
  • LINEで送る