日墨友好の証し リュウゼツラン開花 御宿中、数十年に1度

花を咲かせたリュウゼツラン=御宿中
花を咲かせたリュウゼツラン=御宿中

 数十年に1度花が咲くとされる中南米原産のリュウゼツランが、御宿町立御宿中(吉田誠校長、生徒108人)で開花した。

 校門そばの花壇に植えられており、4月ごろから急に茎が伸び始めて高さ7メートルほどに成長。7月中旬になって、見上げるような高い位置に黄色い花を咲かせた。

 同校によると、支倉常長遣欧使節団訪墨400周年の2014年、在日メキシコ大使館が日墨友好の証しとしてリュウゼツランを寄贈した。静岡県の伊豆シャボテン公園(当時)から移植され、町内の御宿小、布施小にも植えられた。

 御宿とメキシコを巡っては1609年、メキシコに向かっていた外国船が御宿沖で座礁し、住民が乗組員300人以上を救助。使節団が派遣されるきっかけになったとされ、御宿は日墨交流の発祥の地とも言われる。

 同校は体育にライフセービングを取り入れるなど、海難救助の歴史を基にした「命の海洋教育」を行っている。開花したリュウゼツランに同校は「日本とメキシコの交流・友好のシンボル。背景にある歴史を生徒たちに伝えていきたい」としている。


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