

茂原市周辺の天然ガスに焦点を当てたご当地検定「もばら検定ガス博士」の第2回検定試験が、茂原市総合市民センターで行われ、初めての博士号合格者が3人誕生した。
千葉県を中心に南関東一帯の地下には日本最大の水溶性天然ガス田があり、茂原市周辺では明治時代から採掘されている。検定は、市発展の礎となった天然ガスをより多くの人に知ってもらいたいと市民団体「もばら検定ガス博士実行委員会」が創設。天然ガスに関連した問題のほかにエネルギー全般、茂原の歴史も出題される。
昨年実施した修士号試験の合格者の中から船橋市のシステムエンジニア、関谷智一さん(45)と、いずれも小学校教員の茂原市の土橋力也さん(40)、睦沢町の中村和嗣さん(38)が博士号に挑戦。論文、面接試験を経て3人とも合格し、実行委員会の横堀喜一郎委員長からマントと帽子を受け取った。
検定マニアだという関谷さんは「地方創生に興味があり、調べた情報を理解して自分の表現で語れるよう準備した」と話す。天然ガスを生かした道の駅をつくり、先進的な未来都市をアピールする提案を論文にした。
土橋さんは大学卒業後約3年間、地元のガス会社に勤めた後、教員になった。「経験を生かしたいと思っていたら検定を知った。博士になれて感無量」と喜び、「総合的な学習の授業で取り上げられないか、プランを作成して提案したい」と意欲を見せた。
中村さんは、社会科の授業で天然ガスを取り入れたことがある。「3年生から6年生まで系統的な授業を展開したい。子どもたちの郷土愛を育みたい」と話した。
今年の修士号と「子どもガス博士」には計15人が受験。修士号は4択100問、子どもは3択50問で、ガスの知識だけでなく、市の歴史、文化など広範囲な問題に挑戦した。試験前日の講習会では採掘井戸などの視察も行った。受験用テキストは地元のガス関係会社が監修した。
横堀委員長は「ただ学ぶだけではなく、実体験を大事にしたい。来年また一人でも多く博士にチャレンジしてもらいたい」と継続を約束した。