思いがけない類似点 おもしろ地名びっくり地名 【千葉地理学会連載 おもしろ半島ちばの地理再発見】

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「面白」のバス停看板
長生村「驚」の電信柱看板

 皆さんは「おもしろ地名」「びっくり地名」というと、どんな地名を思い浮かべますか?

 本稿でも以前に「難読・おもしろ地名」「イロハニの地名」「順番に数字の付いた地名」などのテーマを掲載しました。これらで取り上げた地名も「おもしろ」「びっくり」といえます。

 今回紹介する「おもしろ地名」は、なんと「面白」といいます。読みは「おもじろ」です。大多喜町の山中、養老川のほとりの「養老渓谷」と呼ばれる地域の中にあります。地名の由来は「塗料に使う白土が採れたこと」「古代に天から下ってきた神々が戯れ遊び『面白い土地』といったこと」などの説があるそうです。

 近隣には千葉県内最大の滝である「粟又の滝」や懸崖境など見所が多く、滝巡りやハイキングのコースが設定されています。温泉も有名で「養老渓谷温泉」として10軒余りの温泉宿があります。約100年前に井戸から鉱泉が噴出したことから「温泉」が始まったとのことで、黒褐色の色をした「黒湯」を特徴とする宿もあります。たくさんの観光客が訪れ、特に新緑や紅葉の季節は大にぎわいです。

 次は「びっくり地名」です。「びっくり」は「驚くこと」というわけで、地区名はズバリ「驚(おどろき)」といいます。白子町と長生村の両方に驚地区があり、両地区はとても近くにあります。古くは「小高野村」と称していたのが、江戸時代寛文年間(1661~1673)の検地で増石(米収穫量の増加)が非常に大きかったことに驚いた、ということから「驚村」に改称したとされます。

 白子町驚地区の海岸近くの辺りは「白子温泉」の一部です。白子温泉には20軒余りの温泉宿があり、湯は薄く黄色がかった色をしており「黄金の湯」とも称されます。地下2000メートルから天然ガスと一緒にくみ上げた灌水(かんすい)を温泉に使用しており、ヨウ素を多く含むのが特徴です。

 海水浴やサーフィンばかりでなく、テニスコートやグラウンドゴルフなどのスポーツ施設を備えている宿も多く、年間を通じて観光客が訪れます。近年、特産品のタマネギが収穫される5月中旬に行われる「たまねぎ祭り」が人気急上昇です。

 山中の面白地区、海岸部の驚地区、その両方とも地域の特徴を生かした観光を展開しており、しかも温泉地でもあることに、びっくりするとともに面白さを感じます。

(横芝小学校長 佐瀬一生)