2020夏季千葉県高等学校野球大会

自然の中の非日常トイレ Toilet in Nature(市原市) 【千葉まちなかアート】

作品「Toilet in Nature」。広い敷地内にガラスで覆われたトイレがぽつんとある様子は不思議な味わい
作品「Toilet in Nature」。広い敷地内にガラスで覆われたトイレがぽつんとある様子は不思議な味わい
未使用時はドアが開け放たれ、誰でも敷地内を鑑賞できる
未使用時はドアが開け放たれ、誰でも敷地内を鑑賞できる

 市原市の小湊鐵道飯給(いたぶ)駅近くに、不思議な公衆トイレがある。丸太の柵で囲まれた約200平方メートルの敷地内に、透明のガラスボックスに覆われた洋式トイレがぽつんと建つ。周囲は色とりどりの草花が植栽されていて、なんともメルヘンチックな雰囲気だ。

 世界的建築家、藤本壮介に設計を依頼し市が2012年に設置した「Toilet in Nature」は公開当初、「世界一大きなトイレ」との触れ込みで話題を集めた。トイレとしては“開放的すぎる”造りも目を引く。

 もちろんトイレとして使用できるが、れっきとしたアート作品。豊かな自然の中に人工的で無機質なデザインのトイレが溶け合う非日常的な光景は、見る者の想像力を大いにかき立てる。女性専用だが、使用されていない時は柵のドアが開け放たれ、誰でも敷地内を鑑賞することができる。

 飯給駅周辺は里山に囲まれた田園地帯で、耳を澄ますとカエルの鳴き声が聞こえてくる。平日は人もまばら。そんなのどかな場所にある先鋭アートは、まるで異世界に迷い込んだかのような奇妙さを味わわせてくれる。

(平口亜土)

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 感染症対策で美術館の休館が相次ぎ、人々がアートに触れる機会が減っている。生活品の買い物や在宅勤務が難しい人の通勤など、移動の途中に楽しめる公共空間の中のアートを紹介する。


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