地域をつなぐ役割を 父に学んだ経営手腕 いすみ鉄道社長・古竹孝一さん 【こんにちは】

いすみ鉄道社長・古竹孝一さん
いすみ鉄道社長・古竹孝一さん

 いすみ鉄道(大多喜町)が民間から公募した社長に昨年就任した。「地域に根差し、沿線の住民や団体をつなぐ役割を担えれば」とイベントを通じた活性化に知恵を絞る。

 香川県高松市内のタクシー会社の跡取りとして育った。父親も通った船橋市内の大学を受験。大学院まで進み、交通を学んだ。

 民間企業に就職を決めていた25歳の時、突然上京してきた父親に帰郷を請われた。当時はバブル経済崩壊後の不景気で、会社は大赤字。リストラを断行して立て直した。「失礼なこともした」と顔をしかめる。

 32歳で会社を継ぎ、父親の経営手腕を学んだ。「社長業に正解はない。決断は難しく、覚悟がないとできない」。父親が他界した後も自動車関連会社を立ち上げるなどして業務を拡張した。

 学生時代を過ごした関東地方で仕事がしたいと希望を抱き迎えた47歳の誕生日。中学時代の後輩の高松琴平電鉄社長から来たSNSの祝福メッセージで社長公募を知った。「適任」と背中を押され、思い切って応募。「妻だけが受かると信じていました」と照れる。

 鉄道沿線は「自然が豊か」と魅力を語る一方、「駅舎の美化が必要」と老朽化を指摘。「オフピークに客をどう呼ぶかが課題」と強調する。

 前社長が斬新なアイデアを実行し全国有数の知名度を誇るローカル線に育てた。「イベントは大事。だが、10年後も鉄道を残す仕組みを考えたい」と先を見据え、「社員の能力を発揮できる環境を整えたい」と力を込めた。

◇ふるたけ・こういち 高松市内でタクシー会社など6社を経営する。大学時代に茶道を始め、琴電列車内でお点前を披露したこともある。トライアスロンも趣味で地元の大会に出場している。長男長女は大学に進学し、それぞれ1人暮らし。同市の実家は幼なじみの妻が守っている。47歳。


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