清められる心の絵

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 松岡洋子(ひろこ)さんの水彩画を一見して好感を持った。素朴だ。素直だ。あったかい。デッサンが整然としていながら堅苦しさがなく、主題と背景がよく和合している。

 四国出身だと聞く松岡さんの現住所は市原市だそうで、そのせいか小湊鉄道の駅舎や、マッチ箱と称される気動車を題材にするケースも多い。

 最近の駅舎はモダンになっているが、松岡さんは心象風景的に鄙(ひな)びてとらえ、追懐ムードで描出している。

 そうした松岡作品の個展について、スタッフから話を聞いたとき、私はつい口をはさんでしまった。

 「松岡さんの作品展なら、いかめしい画廊より、ふるさとムードを求め、品のよい和風料理店等の壁面がお似合いかも」

 と進言し、そのまま決定し、熱心なスタッフは、個展のリード用にと、自作の俳句を提供した。

 水無月や

 夏越しの祓

 心の絵

 水無月(みなづき)は、水の無い月と書くが、この場合の「無」は「の」(格助詞)を表示し、即ち「水の月」の意味で、六月「水無月」は田へ水を引く月の称でもあるという。・・・