和紙絵のぬくもり

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 星かづを先生の「和紙絵展」は、いつでも込み合っている。中・高年の女性ファンを主に、最近はヤング層も目立っている。

 ただ込み合っていることが気重(きおも)ではなくて、むしろ快感だった。作家のお人柄と、作品の印象によるものだろうか。

 かづを先生の和紙絵は、作品ごとにファン各人の評価が異なる。つまりその分だけ代表作が個有化する可能性もある。

 私個人にとっての代表作は「幻魚」「舞鶴」「春うららら」「白川郷」など、ついムードに没入する私の感傷癖によるもので、お叱りを受けるかもしれない。

 今回(6月2日~30日)の「上総更級美術館」(電話0436・88・4001)展では、案内状作品として「舞鶴」が使用され、エネルギッシュな求愛ダンスを披露していた。

 写真をモチーフに、作家の自主感覚で微細にアレンジし、ラブストーリーの甘さよりも、羽の力感、くちばしの鋭利、首の瞬発力、愛のセレモニー中にも、戦意の高揚さえ感得する。愛は一面で戦いである、というメッセージが伝わる。

 新作「アース」は地球の客観化で、空間にたたずむというか、はめ込まれるというか、沈んだブルーによる図案化が、何か心情的思惑を伝えてくる。・・・