2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

吉成庸子さん笑う

 良い人に会うのはうれしい。

 仲介してくれたのは水野邦重さん、長谷部桂子さん。お二人とも、かってに言わせてもらえれば私の親友である。

 水野さんは千葉銀行のOB、長谷部さんは「にとな幼稚園」の現役理事長先生、そしてお二人とも文筆にいそしみ、著作もある。

 水野さんには『越智のつれづれ』、長谷部さんには『ジャンボン川』と新刊『たくくんときんいろごい』があり、いずれも好評を得ている。

 「あなたに合わせたい人がいる。有名人です」

 とお二人から告げられた名は、未見ながら私も承知している。

 三月二十八日夕五時三十分、汐見ケ丘の千葉銀クラブに一席設けてもらい、人見知りの鼓動を抱えて出席する。

 吉成さんについて、私の中には「女史」のイメージがある。知名度による風聞の故だろうが、私は「女史」が苦手で、緊張しきっていた。

 とにかく、一端でも流説でない知識が欲しかった。市原市新堀の郷里に友がいる。金坂勲さんに話を聞こう。

 金坂勲さんは、京葉銀行の支店長としてリーダーシップを発揮し、頭取の吉成儀(ただし)氏に愛されたと聞く。また人形作家である金坂夫人の人形作品は、四街道の吉成邸に贈られ、庸子奥様に愛されていると聞く。

 ―京葉銀行で、吉成儀様(頭取→会長→現・相談役)及び奥様には、公私にわたってお世話になり、たいへん感謝しております。(略)

 吉成庸子様は、市原市平三の出身で、元県会議員・鳥海又一郎氏(大地主)のお嬢様です。

 お人柄は明るく、人見知りせず、わけへだてせず、だれからも好かれ、愛される女性であり、奥様であり、その交流の広さも驚異的です。

 金坂さん通信文の一部だが、他に私は吉成庸子さんが、ノーベル医学生理学賞受賞・利根川進教授の義母さんであることも知っている。

 新刊『絹の手ざわり』の帯紙に、利根川教授の一文がある。

 ―『絹の手ざわり』は、老舗呉服店へ嫁いだ主人公・多津子が、時代に翻弄されながら、幸せを求めて波乱の人生を送る姿を女性らしい繊細な筆致で描き切った作品。

 さて、大広間の中央に設けられた四人席で、初めて吉成庸子さんを見て喫驚した。オーバーでなく、思わず「かわいい」という感想が声になる。無邪気に大笑するその愛らしさは、資質として天与のものなのだろう。

 そしてツボを得たボヘミアン流人生経験から、吉成さんは、上流語、ていねい語、ふつう語、特異語、それにベランメエまでコーディネートして話し、そのイントネーションがまた庸子式魅惑をかもす。...


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