カルタ取り新年会

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 平成二十一年度の古典教室「きさらぎ会」は、正月十八日(日)千葉市立小仲台公民館の和室で始まる。なぜ和室かというと、百人一首のカルタ取りがメーンの新年会で、畳の間が必要だからだ。

 カルタ取りでは傑出者が二人いる。種村久子さんと舩後久江さんで、ちゃんとした大会でも上位入賞を果たす実力者だ。

 取る方のメンバーに入ると大半は取ってしまうので、読み方に回ってもらうが、それでも私らは三、四枚しか取れずにビリ。

 一応百人一首・万葉集の講師をやっている身で、信用にも関わるから、なんとかしなくてはならない。

 そこで「むすめふさほせ」に、照準を定めることにした。第一声が「む」「す」「め」「ふ」「さ」「ほ」「せ」の発音で始まる歌は、百人一首に一首ずつしかなく、お手つきする心配もない。目をつけておけば「む」と聞こえた瞬間に手が出せる。敏感なら……。

 念のために「む」の歌から復習しておく。

  むらさめの露もまだひぬまきの葉に

  霧たちのぼる秋の夕ぐれ(87番=寂蓮法師)

 村雨が通り過ぎた後の、露もまだ乾かない槙の葉から、もう霧が白々と立ち上っている、静かな秋の夕暮れ。

 次に「す」の歌。

  住の江の岸に寄る波よるさへや夢の

  通い路人目よくらむ(18番=藤原敏行朝臣)

 住の江の岸辺による波、その、よる(夜)の夢路にさえ、君は人目を避けて、ぼくに逢いに来てくれない。

 続いて「め」の歌。

  めぐりあひて見しやそれとも分かぬ

  まに雲がくれにし夜半の月影(57番=紫式部)

 久しぶりに巡り逢えて、おさな顔を探し、本当にあなたなの? と見分けがつかない間に、もうあなたは帰ってしまう。雲間に隠れる夜半の月のように。

 続いて「ふ」の歌。

  吹くからに秋の草木のしをるればむ

  べ山風を嵐といふらむ(22番=文屋康秀)

 山風が荒々しく吹くから、秋の草木がしおれてしまう。荒々しく吹くから「あらし」というのかな。また「あらし」は山の風だから「嵐」と書くのかな。

 次に「さ」の歌。

  さびしさに宿を立ち出でてながむれ

  ばいづくも同じ秋の夕暮(70番=良暹法師)...