少年顔した地蔵様

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 房総では、美術の秋が紅葉の秋に先立つ。

 千葉市中央区弁天の画廊「睦」では、早々と和紙絵の『崎長史(ふみ)展』が開催中で、例によって混み合っていたが、客筋のマナーがいいので楽しめる。

 崎長史先生は仲間の世話焼きなので、比較的グループ展が多いが、今回は久しぶりの個展だった。

 出展作品が多く、内容もバラエティーに富み、風景として、赤丸付き(売約済み)の「東大の並木」をはじめ「春来たり」「薄墨桜」等があり、写生画「今日一日」(朝・昼・夕)の三点は、いずれも赤丸付きだった。各々風景描写だったが、時間による対象の変化と、受容する心象の変化との対応がみられた。

 バラやボタンの花が、コンパクトに飾り付けられた作品は、鑑賞者の微笑を誘っていたが、人気のわりに赤丸付きは少なかった。

 反面、飾り付けに納まらず、奔放に花冠(かかん)を演出する作品の方に赤丸が見られ、つまり装飾画のコンパクトなかわいらしさを愛(め)でながらも、絵画的広がりを見せる作品の方に、芸術的鑑賞眼を広げているのかもしれない。

 今回の個展では、入場した時点で24作品に赤丸が付いていて、シンパの私もうれしかったが、さらに、少しもじっとしていない画家の動きを見ているのも樂しかった。

 期待のコーナーで石仏グループに拝顔した。いきなり「戸隠の地蔵様」のとりこになった。......