約6600万年前に恐竜や多くの海洋生物を絶滅させた小惑星の衝突地点では、ぶつかった際のエネルギーで熱せられた海水が周囲を循環し、岩石から豊富な栄養素が溶け出していたとの解析結果を九州大などのチームが16日までに発表した。衝突後、周辺では予想より早く生態系が回復したと考えられており、チームはこの熱水循環が促進したとみている。
メキシコ・ユカタン半島沖への直径約10キロの小惑星衝突により、海洋生物の約70%が絶滅した。衝突でできた直径約200キロの「チチュルブクレーター」では、外の海よりも短期間で生態系が回復したことが掘削試料の研究で示されていたが、理由が不明だった。
海底から掘り出した試料やメキシコ東部に分布する衝突後約300万年間の堆積物をチームが調べた結果、粉々になった小惑星がメキシコ湾内に約70万年かけて堆積していたと判明。またマンガンや鉛、リンの濃度は急激に高まり、徐々に減っていた。リンからできるリン酸塩は生物の栄養源となる。