大分の味、心のよりどころ 仙台最後の屋台に感謝状

仙台大分県人会会長の原田善教・東北学院理事長(左)から感謝状を受け取り、笑顔の内田菊治さん=13日午後、仙台市

 仙台市の路上で60年にわたっておでんや中華そばを提供し、市内に残る屋台としては最後の1店となった「大分軒」の店主内田菊治さん(91)に、故郷大分の県人会が13日、「心のよりどころ。味は心に深く刻まれている。県人の誇り」として感謝状を贈った。内田さんは「涙が出そう。(仙台出身の)女房や仲間があって自分がある」と喜びを語った。

 仙台大分県人会会長の原田善教・東北学院理事長が仙台市内の内田さん宅を訪れ、会員24人を代表して手渡した。

 内田さんは大分県臼杵市出身で、地元水産高校の職員として実習船に乗り組んだ。1964年東京五輪の頃、サンマ漁実習で訪れた仙台で立ち寄った屋台を譲り受けた。故郷を忘れまいと「大分軒」の屋号を付け、大分のしょうゆを使う。

 仙台市にはかつて数十軒の屋台があったが、市は新規出店や継承を認めておらず、10年ほど前から大分軒のみ。東日本大震災やけがを乗り越え、最近は春、秋に週2回程度、仙台駅前で営業。長年の常連に加え若い女性客も多い。今年は3月5日の営業再開を目指す。


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