“ブランド”命運かけ 戸建て対策、期待と不安 液状化被害の浦安市 【大震災ちば5年】第一部~あの地はいま(2)

 「合意は苦渋の決断だったと思う。やって良かったと思えるよう精一杯努力する」。東日本大震災から5年の節目を前にした2月6日、浦安市内で初めて既存戸建て住宅地の液状化対策着工が決まった弁天2丁目25~27街区(45戸)の住民説明会で、市復旧・液状化対策プロジェクトの醍醐恵二主幹があいさつした。

 震災後、市は専門家による委員会で液状化対策を検討。16地区(約4100世帯)で着工を目指し、合意形成に注力してきた。

 既存宅地では世界でも例がないという工法を採用。道路や宅地の敷地境界に「改良体」と呼ばれるコンクリートの柱を埋め込んで、液状化しやすい地盤を格子状に仕切る方法で被害を防ぐ。

 総工事費は16地区で624億円。宅地部分は一部個人負担となり、地区によって1戸当たり124万~420万円とされる。弁天2丁目は4月にも着工、夏にも工事が完了する見通し。

 説明会に参加した住民男性(55)は「“浦安ブランド”の回復に期待する。ほかの地区でも着工の流れができるといい」。別の住民男性(76)も「着工にこぎ着けたことはうれしい」と声を弾ませる。

 一方で、不安の声 ・・・

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