<千葉文学賞受賞者リレーエッセー> 更科の姨捨山 【鳥光宏の古典楽語ワールド】

 夕暮れ迫る長野駅。発車のベルが鳴り響く。僕は篠ノ井線の列車に滑り込んだ。講義で疲れていたせいか、座席に着くや否や、うとうとと舟を漕ぎ始めた。

 「姨捨(おばすて) ・・・

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