減災ノウハウを伝授 出番増える「県防災士会」 【思いを刻む 大震災ちば4年】

ほどけにくいロープの結び方で救助時のおんぶのやり方を実演してみせる黒川理事長=2月21日、千葉市中央区
ほどけにくいロープの結び方で救助時のおんぶのやり方を実演してみせる黒川理事長=2月21日、千葉市中央区

 東日本大震災を契機に県内で“出番”が増えているのが、「NPO法人県防災士会」(千葉市、黒川民雄理事長)だ。

 平時には、自治体が主催する防災訓練に参加を要請され、減災に役立つ実践的なノウハウを教えている。身近な日用品を使った生き残り術、救助や避難に有効なロープの結び方などだ。

 有事の際は自発的に被災地へ出動していく。先の震災では津波被害に遭った旭市で倒壊家屋のがれきを撤去し、支援の手を差し伸べた。東北地方では遺体の発見や搬送に携わった。

◆「人助けの思い」
 活動はすべてボランティア。行動を支えているのは「人助けの思い」と黒川理事長。「地震や津波などの自然現象は止められない。現象を災害に発展させないのが人の使命」と話す。

 さらに、公的機関による救助の人員には限りがあるとして、「自分で身を守ることと住民パワーが大事」と自助と共助の重要性を訴える。

 メンバーは「防災士」の資格を持つ59人。緑地にオレンジ色を加えた“制服”も自腹で作る。

 2013年度は34件の防災訓練に駆け付けた。震災前に比べると3倍に増えた。今も週末を中心に県内各地を飛び回る。

 背景には自治体が「3・11」を境に災害への備えを重要課題に位置付けていることがある。

 その一つ、いすみ市。

 13年9月、同市立長者小学校体育館で行われた初の「宿泊を伴う避難所運営訓練」では、メンバーが「避難所では多くの人がいても孤独を感じる。それを和らげる」と足湯とマッサージを提供した。

 簡素な食事、風呂なし、夜は雑魚寝と、なにもかもが“非日常”の体験に不安を抱えながら参加していた地域住民から「精神的にリラックスできた」と感謝された。

 こうした声がメンバーの励みになっている。公務員の秋葉夕香さん(41)はこう話す。「活動は大変だけど、身に付けた技を教え、喜んでくれる反応を支えにやっている」。

◆「有意義だった」
 2月21日、千葉市で開いた一般向けの研修会。同会の松野精治事務局長は「皆さんが地域に戻り、防災力アップに役立ててもらうのが趣旨」と呼びかけた。

 サラダ油や空き缶を使った簡易ランタンの作り方、「もやえ結び」など多彩なロープワークを実演。

 台所用品のラップを手にした松野事務局長は「これは災害時に非常に使い道があります」。ぐるぐる巻きにすれば包帯や丈夫なひもの代わりに、水が使えない状況の食事なら皿の上にかぶせればいい、と助言した。

 「防災のスキルアップをしたい」と会場を訪れた木更津市の伊田薫さん(66)は、いろんなほどけにくいロープの結び方があることに接し、「体験しないと分からない。有意義だった」と感心していた。

 同会への問い合わせは松野さん、電話090(4373)0338。


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