カナヤベース年内で閉鎖 「つながり」生かし次を摸索 富津

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年内で閉鎖するシェアアトリエ「KANAYA BASE」=17日、富津市
昨年の「ろうそくnight」。ガラスハウスが幻想的な雰囲気に包まれ、多くの人が来場した=2013年12月14日

 富津市金谷のシェアアトリエ「KANAYA BASE(カナヤベース、KB)」が、建物の耐震性の問題から年内で閉鎖することになり、20~23日に一般向け最後のイベントを開催する。入居する若者が多彩な交流イベントを企画し、町おこしの拠点として少子高齢化が進む地域の活性化に貢献してきた。閉鎖を惜しむ声は多いが、金谷に残る入居者は新たなアトリエ開設へ準備を進めており、各地に移る若者との「地域を越えた連携」も模索されている。

 KBは、約10年間未使用だった海沿いの観光施設(元ホテル)を改装し、アーティストらの共有スペースや店舗として2012年8月にオープン。彫刻家や家具職人など25人前後が入居し、町の活性化に向け、ビーチ相撲やキャンドル作り、地元住民との交流などさまざまなイベントを仕掛けてきた。

 KBを基点に金谷へ移住した若者もおり、運営は黒字化するなど軌道にのっていたが、建物は昭和30年代の建築で老朽化が進行。耐震基準を満たしていないことから、所有企業の意向で年内いっぱいでの閉鎖が決まった。立ち上げから携わったKBの共同代表、金子愛さん(28)は「予期していないことでショックだった」と胸の内を明かす。

 入居者の多くは都内や県内各地に活動の場を移すが、金谷に残り、閉店したスーパーをアトリエに改装して次の拠点にしようとする若者たちもいる。

 新アトリエ開設の準備に汗を流す小川諒さん(24)は「最初は残念だと思ったが、建物が無くなっても、人のつながりは無くならない。スペースは今ほど広くないが、人が集い地元とのつながりがさらに強くなる場所を作りたい」と意気込み、1月下旬のオープンを予定する。

 地方の未利用施設を活用するベンチャー企業へ転職する金子さんも「KBを通じて今まで出会えなかった人と出会えた。そのつながりは変わらない」と指摘。各地に移る仲間たちと連携し、金谷にとどまらない地域活性化ができないか模索している。

 閉鎖する建物がどうなるかは未定で、KBを運営するNPO法人「KANAYA」の鈴木裕士理事長(53)は「行政も巻き込んで南房総のためになるものができたら」と展望、今後の方針を所有者と話し合っているという。

◆20日から4日間 最後のイベント

 KBでは20~23日、隣接するガラスハウス(旧植物園)内に約600個のろうそくをともす「KANAYAろうそくlast night」を開催。20日午後4時30分~5時10分には立川志の彦さんによる落語会、23日午後4~7時には児玉奈央さんらのライブイベントで最後の夜を盛り上げる。そのほかワークショップもあり、料金など詳細は同法人、電話0439(29)6173。