5年で財源不足28億円 貯金底突き「破綻寸前」 経営改革に着手へ 富津市

財政破綻寸前の状態となり、経営改革に着手する富津市
財政破綻寸前の状態となり、経営改革に着手する富津市

 富津市は、2015~19年度までの5年間で計約28億円の財源不足が生じるとする中期収支見込みを発表した。市の貯金にあたる財政調整基金が底を突き、このままだと18年度には、実質赤字比率が20%を超え、財政破綻した北海道夕張市と同様に国の管理下で財政再建に取り組む「財政再生団体」に転落する見通しだ。(かずさ支局 武内博志)

 富津市では、臨海部の企業の固定資産税が減少し、高齢化で増加する社会保障費や職員人件費が財政を圧迫。財政調整基金を取り崩してしのぐ厳しい市政運営が続いてきた。

◆財調残高ワースト2

 その財政調整基金は、昨年度末で残高2億円まで減り、県内37市の中で銚子市の161万円に次いで少ないワースト2位の水準となった。富里市の6億円を除き、ほかの34市はいずれも10億円を上回る。

 高齢化を見据えて貯金を積み増す自治体がある一方、富津市は「場当たり的に取り崩して底を突き」(市企画財政部)、すでに財政破綻寸前の状態に陥っている。

 15年度には、収支が3億2400万円の赤字に転落し、貯金をすべて取り崩しても財源不足が解消できない事態となる。16年度以降も毎年度5億~6億円の赤字が続き、19年度までに計28億円に膨れ上がる見込みだ。

 18年度には、同市の財政規模に占める累積赤字の割合(実質赤字比率)が20%を超え、財政再生団体に転落する見通しという。

 市は1999年度に「財政非常事態」を宣言し、管理職手当の引き下げなどを実施。企業進出もあって2005年度に非常事態を解除した後も、人件費を抑制したり、事業を切り詰めたりしたが、将来を見据えた抜本的な対策は先送りとなっていた。

◆先送り体質「猛省」

 こうした状況を踏まえ、市は「これまでの慣例主義、近隣市と歩調を合わせる横並び主義、先送り体質を猛省しないといけない」として、経営改革に着手する。

 人件費抑制のため、本年度26人だった職員の新規採用を来年度は3人に抑制。利用が少ない施設を売却するなど公共施設の在り方を見直し、公共サービスの提供範囲や料金を再検討する。

 10月に外部有識者からなる改革会議を立ち上げ、本年度末には、具体的な取り組みを「経営改革プラン」としてまとめる方針という。

 佐久間清治市長は「東日本大震災後に学校の耐震化を進め、人口減に対する定住化促進のための基盤整備が重なった部分もあった」と説明。「単年度の予算査定を中心とした従来の対応では、この状況を克服することは困難。市民や議会の理解を得ながら進めたい」と話した。


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