果肉の中まで赤~いイチゴ 新品種「真紅の美鈴」 大網白里の成川さん開発

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イチゴ育種家の成川さんが開発した新品種「真紅の美鈴」=大網白里市

 真紅の外観と果肉が中まで赤いのが特徴の新品種のイチゴ「真紅の美鈴」を大網白里市大網の育種家、成川昇さん(72)が開発した。季節の風物詩として観光イチゴ狩りが人気を集めるなど千葉県はイチゴ栽培が盛んで、成川さんは手塩にかけた真紅の美鈴の普及を期待している。

 元県農林総合研究センター育種研究所所長の成川さんは退職後もイチゴの育種に取り組み、現在は市内に設けた施設で研究を続けている。

 真紅の美鈴は、成川さんが県職員時代に開発した「ふさの香」と「麗紅」の交配、選抜により誕生した新品種。濃い赤色の外観に加えて果肉が中まで赤いのが特徴。また、味や日持ちも良いという。専門機関で調べたところ赤色の色素成分「アントシアニン」の含有量(100グラム当たり)は、ふさの香の約1・75倍、「とちおとめ」の約3倍だった。また、この2品種に比べて甘みも強く感じる数値が出ている。

 外観について成川さんは、市場関係者の反応が気になっていたが、知人農家の直売所で試食した来店客の反応が良かったことで自信を深めた。

 交配に着手してから8年後の2011年10月、成川さんは国に真紅の美鈴の品種登録を出願、12年には出願公表された。また、今年4月、思いを込めた名前の商標登録も出願、それぞれの関係省庁からの吉報を待っている。

 成川さんは「産地として栽培を確立し、市場で取り扱ってもらえるように育てていきたい」と意欲を見せている。現在は県内農家8軒が栽培している。

 県によると、県内で栽培されている品種はとちおとめが6割強を占める。その他は、紅ほっぺ、女峰、章姫など。産出額(12年)は約71億円で全国9位。