迷惑防止条例を改正 民泊増受け一宮町 迷惑行為収まらず「営業時間中は施設に常駐」努力義務に

一宮町役場
一宮町役場

 一宮町議会は9日、簡易宿所や民泊施設の利用客による迷惑行為への対策として町が提出した町迷惑防止条例の一部改正案を賛成多数で可決した。施設営業者に対し、営業時間中の施設への常駐などを努力義務として求める規定を追加した。

 町によると、町内では東京五輪サーフィン競技の開催などを契機に、海岸部を中心に簡易宿所や民泊施設が増加。一部の施設では利用客による騒音などの問題が発生していた。

 町は2023年12月、「夜間は近隣の静寂を害する行為をしてはならない」などと規定した同条例を施行。今年6月には罰則(5万円以下の過料)規定などを追加した。

 今回の改正では、簡易宿所や民泊施設の営業者の責務として、営業時間中に営業者らが施設に常駐することを努力義務として規定。ただし、おおむね10分以内に施設に到着できる体制を整えている場合は例外とした。外部から見やすい場所に、施設の名称や営業者の氏名を記載した標識を掲げることも努力義務とした。

 町は「現行の制度では不在型の営業形態が認められているが、迷惑行為が収まらない原因の一つと考えた」などと説明。10月に行った住民との意見交換会も踏まえて改正案を提出したという。

 県などによると、同町内の簡易宿所と民泊施設の数は、18年度末は計28件だったが、24年度末は計155件に増加。その後さらに増えているといい、町幹部は「今後のことも考え、町としての考えを示した」と説明した。既存施設の事業者には、条例などの関係法規を守る協定書の締結を依頼しているという。

(武内博志)


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